院長ブログ

2017.06.26更新

術前のCT画像。
シャント血管の結紮前。
肝臓への血流がほとんど確認できません。
シャント血管の結紮後。肝臓への血流が認められるようになっています。



 

 先日も紹介した門脈シャントですが、この症例は前回の症例とは異なる部位の血管から後大静脈へと短絡していた症例です。

門脈シャントはこれらの症例のように症例ごとにバリエーションがあります。

また前回紹介した症例、また今回の症例はともに肝臓の外にシャント血管が存在する肝外門脈シャントの症例ですが、
肝臓の組織内にシャント血管が存在する肝内シャントの症例も存在します。

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投稿者: エアリーズ動物病院

2017.06.01更新

開腹時多量の黄色の腹水とゼリー状の胆嚢の内容部が腹腔内に存在。
胆嚢管が破裂していたため十二指腸の総胆管の開口部からステントを挿入し留置。
摘出した胆嚢と腹腔内に存在していたゼリー状の胆泥。


 
 胆汁が外傷、腫瘍、胆嚢粘液嚢腫などの疾患により、腹腔内に漏出してしますと重度の腹膜炎(胆汁性腹膜炎)を起こしていまします。

写真の症例は胆嚢粘液嚢腫の症例で、胆嚢管の破裂を併発していたイヌの手術写真です。

この症例の場合には胆嚢管の破裂が認められたため、胆嚢からの続く総胆管が開口する部位である十二指腸を切開して
開口部(大十二指腸乳頭)からチューブをステントとして利用し、損傷部位を縫合してそのままチューブを留置しました。

その後、腹腔内を洗浄し、ドレーン(お腹から腹水を排泄させる管)を設置して閉腹しました。

胆汁性腹膜炎は命に関わることが多い疾患のため、早期発見、早期治療が重要となります。

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投稿者: エアリーズ動物病院

2017.06.01更新

手術前のCT画像。門脈から後大静脈へと短絡する異常な血管が認められます。
シャント血管の結紮後の術中レントゲン写真。異常な血管は描出されず、肝臓内の血管が明瞭化。
シャント血管の術中写真。この血管を分離し、結紮。


 
 門脈体循環シャント(門脈シャント)は、通常消化管からの血流は門脈を通って肝臓へと走行しその後心臓へと向かい全身へと流れる血液が、
門脈から肝臓を迂回して全身循環へと短絡してしまう異常な血管(シャント血管)が存在することで、種々の症状を引き起こす疾患です。

門脈シャントには先天性と後天性とがあり、先天性の場合には手術によって治療を行います。

手術はこのシャント血管を結紮することが目的ですが、シャント血管を結紮した後の門脈の圧力によっては、数回にわたって手術をしなければならない場合もあります。

また、術後に発作などの神経症状を呈することがあるため、術後も注意が必要です。

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投稿者: エアリーズ動物病院

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